見積PDF生成サービス「マイミツ」では、ベースシステムにconcrete5を採用しました。その理由を書きます。

一位ではない

先日の記事「決済手段にPayPalを採用しました」では、WebPayとPayPalの比較で、シェア一位を理由にPayPalを選択した、と書きました。その理屈でいけば、concrete5ではなくてWordPressとなるはずです。ではなぜ、concrete5にしたのか?今回はその理由を書きます。

WordPress concrete5
開発元 米国 米国
日本法人 無し 有り
ライセンス GPL2 MIT
普及度 世界一位 世界で六位

日本法人

日本法人(コンクリートファイブジャパン株式会社)が存在することは日本での普及において、大きなメリットではあります。WordPressは、公式な日本法人はありませんが、実質的にはプライム・ストラテジー株式会社がその役割を担う可能性が高いです。

ライセンス

オープンソースソフトウェアであれば、自由にカスタマイズして利用することができます。この点はどちらも合格ですね。細かく見るとライセンスは異なっています。

WordPressがGPL2(エンドユーザーにとって有利なライセンス)なのにたいし、concrete5はMIT(制作者・開発者にとって使い勝手の良いライセンス)です。ロングテールでいえば、GPL2は裾野を広げるのに役立つ、MITは中間層の貢献量を上げるのに役立つ、という感じです。

GPL2の場合は、開発者は派生物のライセンスを変更できません。一方、MITライセンスの場合は、開発者が派生物のライセンスを変更できます。なお、元の著作者の著作権表示は、GPLでもMITでも守らなければなりません。

普及度

CMS Market Shareでの統計結果(2016年11月4日)です。使われている数での判断です。「使っているユーザー数」というのは一つの判断基準ですが、これは「ロングテールの裾野が広いかどうか」という判断基準ですから、WordPress(GPL2採用)に圧倒的に有利な判断基準といえるでしょう。

「ユーザー毎の貢献量の合計」で考えれば、WordPressとconcrete5がそこまで大差ではないだろうと考えています。とはいえ、開発者数でカウントした場合でもWordPressが一位でしょう。

要件と標準仕様

今回、ウェブサービスを作るにあたって、必要だった要件をみてみます。主なものを列挙します。

  • フォーム入出力機能
  • PDF作成機能
  • 非公開領域にファイルを保存する機能(見積内容は社外秘情報と考えられる)
  • ユーザー登録機能
  • 特定のユーザーアカウントのみ、ファイルを取得できる機能

です。では、これらの機能はWordPressやconcrete5に存在するのか、をまとめたものが次の表です。

WordPress concrete5
フォーム入出力機能
PDF作成機能

非公開領域にファイルを保存
ユーザー登録
特定のユーザーアカウントのみ、ファイルを取得できる

これを見ると、concrete5をベースにしたほうが、開発工数が少なくてすみそうですね。実際、concrete5をベースにしたことで、高速に開発できたと思います。

しかし、この点は、まだ決め手ではありませんでした。WordPressでも、工数さえ掛ければ実装できますから。

パッケージ販売を見据える

実は、決め手となったのは、パッケージ販売のやりやすさです。マイ見積は、ウェブサービスとして提供する他に、顧客のサーバーに導入することにも対応しています。これは見積書を外部サーバーに置きたくない、という要望を見越してのことです。

この場合に、問題となるのが、自社で全国対応できるか、という点です。東京や大阪ならまだしも、沖縄や北海道の会社に、導入依頼された場合、弊社で対応するのは大変です。この問題を解消するため、パッケージ販売を計画しました。パッケージ販売すれば、弊社以外のホームページ制作会社にも使っていただけるので、全国対応ができそう、という目論見です。

そうした場合に、concrete5ではマーケットプレイス(追加機能を販売したり購入したりする場)が公式に用意されている、ということが重要でした。WordPressで追加機能を販売する場合は、自社で販売所を作らなければなりません。そうした場合、追加機能の開発という本来の業務に加えて販売所の管理もしなければならないので、WordPressが選択肢から外れました。

パッケージ販売準備中

ホームページ制作会社向けのパッケージ販売に向けて、現在準備しております。今しばらくお待ちください。